大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)996 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人高木徳義の上告理由第一点について。

原審が、本件二通の手形を原審被控訴人D薬品株式会社(以下、D会社という)

が裏書譲渡の意思をもつて被上告会社に交付したとの事実認定を裏付けるため、そ

の事情として所論のごとき事実を認定したことは原判決により明らかであるが、原

判決挙示の証拠を綜合すれば右のごとき認定をなしえないではなく、右認定に所論

のごとき論理法則ないし経験則違反の違法はない。所論は、ひつきよう、原審の専

権に属する証拠の取捨、事実の認定を非難するに帰し、採用することをえない。

同第二点について。

原判決挙示の証拠を精査するも被上告会社とD会社との間に薬品取引があつたこ

とについての証拠はなく、また、第一審において被告ら代理人が提出した乙第二号

証の二が上告会社の手裡にあるとの原審の判断もその根拠に乏しいことは、まこと

に所論のとおりであるが、被上告会社とD会社との間に薬品取引がなかつたとして

も、本件手形の裏書交付当時において、D会社が被上告会社に対し約五五万円にも

及ぶ債務を負担していたことは原審が証拠により適法に確定しているところであり、

また、乙第二号証の二が上告会社の手裡にはなく、所論のごとくD会社の手裡にあ

つたとしても、これがため、原判決のその余の事実の認定が左右されるものとも解

されないので、事実認定に関する原審の右過誤は原判決の結果に影響を及ぼすもの

とは認め難い。論旨は、採用のかぎりでない。

同第三点について。

論旨第一、二点の理由のないことは前示のとおりであり、その他原審の判断に理

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由の齟齬ないし不備又は審理不尽の違法ありとする所論は、ひつきよう、原審が適

法にした証拠の取捨判断、事実の認定を非難するに帰し、採用することをえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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